「いや、なかったよ。たぶん一目惚れ?あたし面食いなのよ」 「ってか、そもそもあたしが男の子と話さないから…」 「あー…確かに、知紗がいる手前男子には話し掛けにくかったね」 あ、あたしのせいだ…! あたしってば、明里に好きな人がいることさえ知らなかったし! 最低じゃん! 「だからって知紗のせいじゃないからね?」 明里は少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべて続けた。 「ついでに篤樹を知紗に譲ってあげるから頑張りなよ?」 ゆ、譲って…? それはどういう…!?