「ほら、行くぞ」 グイッと腕を引かれて、あたしはスタジオ内へ足を踏み入れた。 通りすがる人達はみんな忙しそうにしていて、 あたしみたいな部外者にも気付いてないって感じだ。 それに可愛い人がいっぱい…… 雑誌はあんまり読まないから分からないけどモデルさんだと思う。 「はい、到着。俺はこれから撮影だけど、話し相手になってくれるヤツがいるから大丈夫だ」 あるスタジオに入って、朔はそれだけ言うと、 キラキラとライトが眩しい方へ歩いて行ってしまった。 ………え? 置いていかれた?