「ま、行けば分かる」 朔はそれだけ言うと、また前を向いてしまった。 朔の仕事場って……かなり華やかなところだよね。 あたしみたいな一般人が行っていいのかな…? いろいろな疑問がありながらも、目的地までずっと黙っていた。 「──…着いたぞ」 車外へ出たあたしの目に飛び込んできたのは、ある建物。 「ここは…?」 「撮影スタジオ。今中でティーン向け雑誌の撮影をやってんだ」 高層ビルってより、敷地面積が広い大きな建物って感じ。 こんなところに、あたしが入っていいのかな…?