先輩達はすごく盛り上がっていてあたし達に全く気付いていなかった。
……その盛り上がっている要因である奥原朔がいなくなっていると言うのに。
「さ、朔……っ!もう大丈夫だから。ありがとう」
正門まで引っ張って来られたところであたしはそう言った。
これから教室に戻ろっと。
自習だから問題ないでしょ…
「ちょっと待て」
もう既に校舎の方へ向いていたあたしの身体は、
グインッと朔の方へ向かされた。
「な、何…!?」
ちゃんとお礼言ったし、変なことも言ってないよね!?
気まずいって思ってるのはあたしだけなのかな……?



