「なっ、何で奥原朔がここに…!?」 睨まれても頬を赤く染める先輩達が、驚きの声を上げる。 体育祭の練習の時にあたしが2年生にバラしちゃったわけで──… 先輩達は知らないんだよね。 「俺、桐山の生徒なんだよね」 ヤツがすぐ近くの男子高に通っていることを。 「えっ!?嘘ぉ!」 「信じらんないっ!」 「ヤバいっ!カッコいい~っ!」 きゃあきゃあ盛り上がる先輩達。 「知紗!今のうちに」 朔があたしの手を握り、正門の方へ引っ張る。