「っ!」 あたしが意識を戻した時には、春佳ちゃんの手の平が近付いてきていた。 ──…叩かれるっ! あたしがギュッと目を瞑った時、 「女って怖ぇなー?」 正門の方から聞こえてきた声に、春佳ちゃんの動きが止まった。 「誰よ…!」 「言わなきゃ分かんねぇのか?」 「おっ、奥原朔…!?」 奥原朔──…朔の顔を見てギョッとした春佳ちゃん。 ……な、何で朔がここにいるの? 久しぶりに見る朔は、相変わらずカッコいい。 「呼び捨てすんな」 朔はそう言って春佳ちゃん達を、鋭い目付きで睨む。