あたしの耳にはそのセリフしか届いてなかった。 春佳ちゃんは一瞬だけハッと驚いたような顔をしたけど、 すぐさま元の自信満々な顔に戻った。 「そうよ?篤樹の彼女はあたしなの。だからもう……篤樹に近付かないでよ」 ……え…っ! やっぱり……篤樹の彼女は春佳ちゃんで… 体育祭の告白大会は嘘だってこと…? 「分かったの?返事くらいしなさいよ!」 篤樹、意味分かんない。 嘘であそこまでする? ………あんなに優しい表情は好きな人にしか見せちゃダメだよ… 「っ……うざっ…」