「湊斗って、案外分かりやすいやつなんだ…」 「……ん?なんの話?」 「いや?こっちの話」 あたしが尋ねても、霞は意味深に微笑むだけだった。 ……ま、いいや! あたしは細かいことを気にしない主義だし! 「知紗ちゃんっ!」 あたしがグッと拳を握った時、また誰かがあたしの名前を呼んだ。 「あっ……!平塚くん!」 「大丈夫?すごく心配してたよ」 そう言って眉を下げる平塚くん。 「大丈夫だけど……ごめんね?二人三脚出来なくて」 走る前に倒れたもんね、アホなあたし……! あんなに練習したのに。