グラウンドの校舎側には、告白大会で使われるらしいステージがある。 太陽はちょうど、校舎側に沈んでいる。 「あっ、知紗ちゃん!」 あたし達がグラウンドへ着くと、誰かが駆け寄って来た。 「あっ……湊斗」 霞が先に気づいて、彼の名前をつぶやく。 「体調よくなった?」 「はい、もう平気です」 湊斗先輩がやけに心配そうに聞くから、あたしは安心させるようにニコッと微笑んだ。 「よかった……告白大会、知紗ちゃんに参加してもらわないと困るんだ」 困る? ……なんで?