父親から香っていたのは、甘ったるい女物の香水だったんだ。 お母さん以外に……香水が移るくらい近い存在の人がいるっておかしい。 ずっと昔から優しいお父さんが……裏切った……? そう思ってしまったあたしは、それから男嫌いになったんだと思う。 『所詮裏切られるなら、信じない方がいいよ……』 そう、思ったの……。