「あなた、動悸が激しくて、頭も痛そうに押さえてたの。それに、ちょっと体温が低かったのよ」 ……え……? 思わず自分の胸をそっと押さえてみる。 「熱中症より……貧血で倒れたって言った方が正解ね。最近、寝不足だったりしない?」 ドキンッ。 押さえていた胸が高鳴ったのが分かった。 「もう少し安静にしておいた方がいいわ」 保健室の先生は一方的に話し終えると、カーテンの外へ出ていった。 他にも体調を崩した子がいるみたいだし……忙しいんだろうな。 「……知紗ちゃん」