外はものすごく暑くて、熱中症になってしまうのは分かるよ。 でも……貧血? あたし、貧血なんてなったことないのに……。 「あ、目覚ましたかしら?」 カーテンがシャッと開いて、白衣を着た女性が入ってきた。 「たった今、起きました」 保健室の先生にそう答えたのは、篤樹。 「そう、安心したわ。今日は暑いものねー……他にも熱中症になった子がいるくらいだし」 そうなんだ、あたしだけじゃないんだ。 「あ、でも……貧血……って言われたんですけど……」 あたしは、篤樹に視線をチラッと向けながら言った。