あたし達の前に走る人……。 反対側の待機場所へ向かう背中を見ただけで、分かるなんて……。 見たくなかった。 ……篤樹と楽しそうに話す、女の子の姿なんて。 ……って、なんでこんなこと考えてるの!? 篤樹が誰といようが、関係ないじゃん! 「知紗ちゃん?紐、結んでいい?」 「え……あ、うんっ!お願い」 平塚くんがしゃがんで、あたしの右足と平塚くんの左足をくくりつけた。 それにしても、暑い……。 もう真夏みたいだぁ……。