「えーやだよ。あたし、先に行く」 あたしはそう言うと、まだのんびり準備していた千尋をおいて、外へ出る。 ちなみに、今のカッコは体操服。 日焼けしないように、ジャージも着てきた。 「知紗ちゃん!」 いつもの信号を待っている時、肩をポンッと叩かれた。 「……あ、平塚くん!」 体操服姿も相変わらず爽やかな、平塚くんが立っていた。 「おはよ。偶然だね」 「そういえば初めて会った時、ここで助けてくれたよね……あの時は、ありがとう」 信号が青になったのに気づいて、一緒に歩きだす。