「なんだよ、つまんねーな。俺は……知紗ちゃんにしちゃおっかな~」


……はっ!?



「……冗談は止めてください」

「え?冗談じゃねぇのにー」

「だからっ……」


さっきから南さんの顔がつらそうなの……。


切なそうでいて、悲しそうな……。


もしかして、南さんは湊斗先輩のこと……。



「はいはい、そこまでにしなさい!後夜祭でやること決まったから、さっさと帰るよ!」


南さんがパンパンと手を叩きながら、席を立った。


南さんからはさっきの悲しげな表情は消え、あれはあたしの勘違いだったのかな?とさえ思える。