「あたしのことを好きになる要素なんて、ある……?」 こんな無愛想で、笑わないやつで、どこを好きになってもらえる……? 「フッ、ストレートだなーお前」 少し照れている奥原朔。 雑誌やテレビでは見ない、自然な笑顔に思わず戸惑った。 「知紗はー……おもしれぇよな。初めて話した時からインパクトがすげーの」 奥原朔は、ハハッと声を出して笑っている。 あたしがおもしろいって……? 特に口を挟まなくてもいいかと思って、次の言葉をおとなしく待つ。