「お、ここ来たことあるか?穴場だよなー」
奥原朔はそれだけ言うと、さっさと店内へ入っていく。
あたしも慌てて後を追った。
「……え、ショートケーキ食べるの?」
あたしはこの前とは違って、チーズケーキにした。
ショートケーキを頼んだのは、奥原朔。
「俺、甘いもん好きなんだ」
「へ、へー……」
意外だなぁ、甘党なんて……。
「意外、とか思ってんだろ?」
ショートケーキに手をつける前に、顔を上げて聞かれた。
幸せそうにケーキを頬張る姿を見ていたら、なんだか微笑ましくて
この前無理やりキスされそうになったことも許してあげようかな、なんて思ってしまう。



