桐山男子との二人三脚の合同練習や、中庭で篤樹に抱き締められたその日の夕方。


いろいろありすぎて頭がパンパンだよ……。



「はあぁー……」


テーブルを拭きながら、思わずため息がこぼれてしまった。


……って、いけない!


バイト中なのに!



「知紗ちゃん、さっきからため息ばっかりついてるけど……大丈夫?」


テーブルを拭き終えて、ホールから出ると矢田さんに声をかけられた。



初めてホールに出た時から、たまにウエイトレスとして働くようになった。


人手が足りない時だけだから……ホントにたまになんだけどね。



「はい、大丈夫です。……すみません、ため息なんかついて」

「いや、いいけど……全然大丈夫そうに見えないわよ?」