「ん、大丈夫だから。……むしろもっとやる気出た」 また平塚くんに目線を移すと、彼はちょうど顔を上げてそう言った。 やる気出たんだ? 「それはよかった。じゃあ、もう少し練……」 「ちょっと来い」 グイッ。 話している途中、突然誰かに、横から強く手首を掴まれた。 「なにっ……!?」 今日はよく引っ張られる日だな、とか冷静に思いながら、あたしの手首を掴んでいる張本人に目線を向ける。 「……っ!」 そこには、今1番見たくない、喋りたくないヤツの姿が……。