その髪の、根本。
頭のてっぺんに、もっかい、あったかい手のひらが降ってきて。
「…藤田さん、ほんっま、頭悪いなぁ」
ポンポン、てなだめるみたいな、手のひらの持ち主。
玉木くんが、しょうがないなぁって、笑う顔が見えた。
「アホ。ほーんま、アホ」
「……っ、た、ま」
「そりゃ赤点もとるわ。居残りもさせられるわ」
頭悪いとか、アホとか。
玉木くんが言うなんて考えられへん言葉が、いっぱい飛び出てくる。
でも、それは全部、めっちゃ優しい音で。
…やから素直に、まっすぐ、ウチの中に入ってきて。
「なあ、藤田さん」
「…うん……っ、」
「先のことばっか大事にするのはええけど。じゃあ、今のことはどうすんの?」
「……っ、…いま、の…?」
「今、藤田さんの中に生まれとる気持ちは、無駄にしてまうん?」
玉木くんの言葉が、ストン、て。
心の真ん中に、おさまっていく。



