「…はは。藤田さん、ウソつきや」
「……っ、ちが、」
「ウソつきや。だって、」
サラリ、揺れる前髪の下。
玉木くんの、優しい目がのぞく。
「古町くんのこと。ホンマは、だれにもとられたくないくせに」
「ーーーーっ、」
玉木くんに、頭ポン、てされて。
そのとたんに、なんかな。
なんか、タンク解放のスイッチ、押されたみたいになってな。
瞳のきわ。
…涙が一気に、あふれてった。
「ちがう…っ、」
「ちがわん」
「ちがうもん…っ!!」
「ウソつき」
「〜ウソやないもん…!!」
「ううん、ウソや」
「…っ、」
「……藤田さん」
「だ、だって……っ」
声に、地震が起きとるみたい。
ブルンブルン、ふるえてしもて。
「〜アカン、ねんもん…っ!!」
がんばって声、しぼり出して。
でも、めっちゃブサイクな、声になってしもて。



