「…あ、あれ……?」
自分でも、気づかんうちやった。
知らん間に、ボタボタ。
涙が、ほっぺた、すべり落ちとって。
「……っ、あれ……?」
声のトーンだけやなしに、目の筋肉まで調節できんくなっとったみたいや。
まわりの景色がにじむ。ぼやける。
必死でまぶたに力入れて、出てくんな!!て。思うのに、止まらへん。
…全然、止まらへん。
「あれ?な、なんでやろ…あは……」
「…藤田さん」
目の前には、困ったみたいに笑う、玉木くん。
ウチの名前を呼ぶ声はおだやかで、ちっちゃい子を、あやすときの声みたいや。
「なんで、そこだけは頑固なん?」
「…え……?」
「自分の気持ち。なんでそんなに、素直に認めてあげへんの」



