もくもく、白い湯気でくもった視界の中。
「…焼きそばひとつ」
正面から、怒ってるんちゃうってくらいの、低い声がした。
はいよ〜!て活きのいい返事、しようとして。
せやけど、思わず手を止めてまう。
「……セッチ」
数秒、固まった。だってな。
ウチに向かって、100円玉3枚突き出しとったんは……不機嫌そうな顔した、セッチやったから。
なんやわからへん。でもグアッて、底から押し上げられるみたいな気持ちが、一気にこみ上げてくる。
…だって、全然、予想してなかってん。
セッチが、ウチんとこに買いにきてくれるとか。
「…ス、スカートはいてないやん!!」
あわててしゃべりかけたけど、変な間があいてしもた。
「……は?」
セッチの、さらに不機嫌さを増した視線が、飛んでくる。



