いや、知ってたで。
ええよなぁ〜って。
カオちんがセッチのこと、そう言うてたのは覚えとるけど。
好き、とか。
そこまでおっきい気持ちやとは、全然、思てなかって。
「あ、そんでな。実はぁ」
髪の毛の先をさわりながら、幸せそうな笑顔で話す、カオちん。
「こないだの化学の移動教室の前にな。古町くんに学祭一緒に回らん?って、もう声かけてん」
「…お、おお。そうなんや」
「うん!交代時間聞き出したし、そのころに迎えに行こう思て。へへ」
「…へえ!!そっかあ!へえ!!!」
「なんよその棒読みの驚き方〜っ!!」
心臓、一瞬冷たなって。
そのあとに来たんは、真逆の。内側から、カーッて熱くなる感覚やった。
それが何なんかわからんくて。めっちゃ、気持ち悪くて。
ゴクン、て。無理やり、つばを飲み込む。



