「…それにしてもさー。こふじー」
ウチのとなりに、ストン、てしゃがみこんだカオちん。
口とがらせて、なんやカワイイ顔しとる。
「ん?」
「2学期なってから古町くん、うちのクラス遊びにこおへんなぁ?」
頬づえついて、つまらなさそうに言われたセリフに。
ゾッやなくて、ギクッ。
一瞬、体を固めてしもた。
「…あー、そうやなぁ」
「夏休み前はしょっちゅう、こふじに会いに来とったやん」
「…いい加減、ウチの顔にも飽きたんちゃう?」
目線は看板においたまま、答える。
「ええ?今さら〜?16年も一緒おるくせに」
カオちんの明るい声が、ミョーにな。耳の奥に、ひびいた。
「…うん、せやな。今さら」
ちっちゃくな、つぶやいて。
もう手遅れ感満載の看板の絵に、茶色い絵の具を塗り重ねる。



