はなれたときに漏れる、息継ぎの音。
鼻にかかっとって、変に響いて、ビックリした。
…こんなん恥ずかしぃて、死にそうや。
「〜わっ、ちょ、なんで…っ」
「1回なんか言うてへんやろ」
瀕死状態のウチに、まだチューをしかけてくるセッチ。
無理やりにくちびるが重なって。
壁とセッチと、その間にウチ。
サンドイッチみたいになって、身動きなんか全然とられへん。
足にも力入らんくて、いっつもの蹴りを繰り出すことも、できんくて。
「セッ、チ…も……っ、」
胸を押し返す力も、赤ん坊並みに、よわい。
無意識のうちに、セッチのユニフォームにしがみついとった手。
溺れかけて、必死でつかまるものを探り当てたみたいな。
「…こふじ、もっかい」
でも溺れさせとるんは、今しがみついとるひと。
セッチ、そのものやのに。



