早く早くって。
セッチの、焦れた気持ちが、触れとるとこから伝わってくる。
「も、なに……っ、」
連れ込まれたんは、人影がない、階段の裏っかわ。
上がった息に、途切れる言葉。
響く歓声はめっちゃおっきいもののはずやのに、ずっと遠くに聞こえる。
それに、今はなにより、自分の鼓動の音が、大きすぎて。
「…こふじ」
「〜な、セッチ、ちょっと!?」
「なんか言うことは?」
片腕つかまれたまま、壁ぎわに追いやられて、焦った声になる。
近距離で見つめられて、息を飲み込むのも忘れた。
アカン。まばたきが多なる。くちびる、ふるえてまいそう。
さっきまで遠くで宙を舞っとったセッチが、目の前で、ウチだけをジッて見とる。
「お…おめでとうスゴイナァ」
「なんでそんなカタコトやねん」



