放送で名前呼ばれた選手が、順々に跳んでいく。
そん中の一人、セッチがパスなしで飛び出したんは、175センチから。
ドキドキしとるこっちの心臓をよそに、セッチは余裕持ってクリアして。
最高記録や、て聞いてた180センチ。
その高さまで上がってきたら、残っとる選手は最初の半分くらいの数になっとった。
「次者、古町雪生くんーー」
放送で呼ばれた、丁寧な正式名称。
コマチセツオ。セッチの、出番。
「やー!来た!!来たでこふじっ!!」
カオちんに肩つかまれて、揺さぶられるままになりながら。
でも視線は、たった一箇所から外せへんかった。
スタート位置で、何回か肩ゆらして呼吸を整えるセッチ。
そのあと、ゆったり。ゆっくり、弧を描いて走り始める。
バーにだいぶ近づいたとき、グッ!って右足軸にして、踏み込んで。



