「あ、おったで!古町くん!!」
ウチが見つけるよりも先に、カオちんが声を上げる。
人差し指の先をたどったら、タンクトップユニフォーム姿のセッチがおった。
赤い地面の上、体ひねったり、足首グルグル回したり。
試合に向けて準備しとる様子見て、トキン、て、心臓が動く。
見る遠さも高さも、いつもとは全然ちがうから。
それにセッチ、ものごっつ真剣な表情やから。別人みたいに見えて、ちょっと緊張する。
試合開始の高さは、160センチ。
ウチにとったら信じられへん高さからやった。
「5センチずつバー上げていくねんな。自分が余裕で跳べる高さはパスしてええねん。ほんで、同じ高さにチャレンジできるんは、3回まで」
…なぜか競技にくわしいカオちんによると、そういうことらしい。



