花火の時間までは、まだ1時間近くある。
おれたちはまず、河原に沿って並ぶ出店を回ってみることにした。
出店は見渡すかぎりずっと続いとって、客足もすでに多い。
まあでも有名な花火大会行くよりはだいぶすいとるし、花火も近くで見れるねんけどな。
「あ!!りんごあめやでカオちん!!」
「ヨーヨー!ヨーヨーあるっ!!」
「たこやきのソースの香りや〜」
チラホラ屋台が現れだした頃から、こふじはめっちゃテンション高い。
キョロキョロ頭動かして、目ぇキラキラさせて。
なんか無邪気で、子供みたいや。
その様子見てちょっとニヤけとったら、
「あ!!クマ吉!!」
一軒の出店指さして、こふじがでっかい声上げた。
指さす先にあるんは、射的の店。
クマ吉てだれやねん、思たけど、どうやら人やなくて。
射的の的として並べられとる黒いクマが、そうらしい。



