それは、ちょっとむくれた顔でこっち見とる、こふじの姿。
いっつもほぼ9割の確率で下ろされとる髪の毛は、今日はひとつに結わえられて。
ほんで、その首筋に続く、服装が。
「浴衣……」
そう。浴衣やねん。
淡い水色の浴衣で、赤帯。
ちっこい頃に見た金魚帯やなくて、しっかりホンマもんてかんじの、硬い帯や。
「な、なによ!なんか文句あるん!?」
「いや……」
「古町くん、かわいいやろー?こふじとなぁ、あたしん家でお母さんに着付けしてもろてん!!」
こふじの腕に自分の腕からませながら言う若松に、恥ずかしそうに目線さまよわせるこふじ。
…うわ、あかん。
予想してなかった。これはめっちゃかわいい。
ニヤけそうなって、あわてて口に力入れる。
毎日見とるからわからんかったけど、髪。ちょっと伸びとってんな。
ひとつにくくっとるけど、前出かけたときみたいなチョンマゲにはなってへん。



