「ハ…っ、なんやお前、人のクラスまでノコノコ、ケンカ売りにきたんか」

「ちがうしっ!売ってったのはセッチやろ!!」

「売られても買うなや!!ほな何しにきたねん!?」

「~ハイッ!!」

「ハイッてなに………え?」



いきなり目の前にこぶしつき出されて、目ぇ丸くした。


ちょっと体そらして、よく見てみたら。



「な…んや、これ……」




……紙?




「日曜日っ!!」

「へっ」



体育のかけ声みたいな、大声出されて。


思わず、気をつけの姿勢んなる。



「な…なんや…」

「あさって!!」

「え」

「もしヒマなんやったら!!」

「な…っ」



ピラッ、て。


こふじの手にはさまれた紙がめくれて、書いてある文字が、やっと読めた。



───映画、券。