目が合って、焦って、思わずそらしてまう。
人差し指。握っとった、手がほどける。
「…ええから。寝とけ」
あー、やっぱ、アカンな。
こふじとなんか、たいてい言い合いしかせぇへんから、普通の会話がすでに恥ずかしい。
氷水で冷やしたタオル、しぼって。
もっぺん、こふじのおでこに乗せなおす。
「セッチ…」
「ハイハイ。おばちゃん帰ってったらおれ、すぐ出てくから。安心せえ」
こふじに言われる前に、言葉さえぎった。
…もうええから帰れ、言うんやろ。
どうせおれは、いっつも危険人物扱いや。
なんやったっけ。前貼ってあった張り紙。
ハゲで、悪霊で、変態?
まだ何やあったな。…ああ、『クズ男は入室禁止』か。やかましいわ。
こふじに背中むけて、座りなおす。
そしたらゴロン、て。
こふじがおれの方に、寝返り打った、気配がした。



