セッチに、にぎられたままの手。


セッチは、見たこともない、男前な、まじめな顔で、ウチに言うた。



「大事なのは外見やない。 中身や。見せろ」

「セッチほんま最悪やな」



すきをついてセッチをひっくり返して、靴下を脱がせた。


窓から捨てたかったけど、カワイソウやから我が家の洗濯機に放り込んだ。ウチ、やさしい。


グルグル水がまわる、洗濯機の前。


自分のズボンのゴムをのばして、中をのぞいてみた。


やっぱり、コケミドリやった。


思い浮かべる。セッチの遠い目。真剣な目。


息をつく。



…まあ、アレや。先延ばし。来週もまたみてくださいねってこと で。



来週。…来週、セッチと?












無理やろ。