孤独は嫌いだ


 何故なら私は彼の付き人(執事)だから。

 特別な家柄に生まれたばかりになんたる不自由、ヒイ様はうんざりした顔で私をみる。

 いつだってそう、諦めと落胆が濃く混ざった瞳が私を見ている。

 仕事が増えるわけであるし、彼には是非自殺など止めてもらいたい。

 では理由を解決してしまえばいい。

 だが残念ながら、肝心な理由について彼は一切話さなかった。

 側にいる人間としては、予想など容易いだろうが暴いてしまえばこの脆いくせに強がりな彼の心を壊してしまう。