処女ってめんどい。
淳ちゃんの悪友たちはそう言っていた。
だから、きっと隼人も満足出来ないよ。
あたしはそう思っていたのに、
「何考えてるの?」
隼人はさもおかしそうに笑う。
「俺の家で勉強しよって言ってるんだよ」
あ……あたしの馬鹿!!
隼人はそんなつもり微塵もないのに。
何おかしなことを妄想していたのだろう。
顔にどっと血が回る。
きっとあたしの顔は、真っ赤に染まっている。
そんなあたしの頭を隼人はゆっくりと撫でる。
「美優ってほんと可愛い。
城内が大切にするの、よく分かるよ」
隼人の甘さに溺れてしまう。
それと同時にずきんと胸が痛む。
隼人は今まで何人に甘い言葉を囁いたのだろう。
何人を抱いたのだろう。
「隼人って口が上手いよね」
可愛げのないことを言ってしまうあたし。
隼人はそんなあたしを見て、再びふっと笑った。
いつもの優しい笑顔だけど、どこか少し影があった。