あれから一年と数ヶ月……。
あたしは、東京の大学に通うことになった。
勉強は苦手だが、一年間必死で受験勉強をした。
特にやりたい仕事や勉強したいことがあるわけではない。
ただ、地元を出たかったのだ。
淳ちゃんにぺったり貼りついていたあたしの周りは、気付いたらヤンキーやギャルばかりになっていた。
あたしは喧嘩なんて好きではないし、奇抜なファッションで注目を浴びる自信もない。
何よりも、神木による暴行事件が深いトラウマになっていたのかもしれない。
大学はそんな世界とは関係ない。
そう決め込んでいた。