守ってくれますか?

―アンリside―



「はぁっ・・・・・」

私はその場に崩れ落ちた。



ヒカリ、ちゃんと伝えなさいよ。

伝えなきゃ、許さないんだから。


閉めたドアを睨みつける。


ヒカリに言った言葉には、嘘が混じってる。

でも、ヒカリはそんなこと、知らなくていい。


“良い人”を演じられただけ、良しとしようか――

想いが報われることなど、無いのだから――




「ナオ様・・・・・」


本当は、好きなんですよ?

心から、愛してたんですよ?


優しいあなたが、大好きで・・・・・

愛されていたヒカリが、憎くて・・・・・




そっと目を閉じた。




―――ヒカルにさんざん言われた時。


彼が“意思疎通能力”とやらで、私の心の中に入ってきた。



《本当に好きなのならば、ナオの幸せ、願ってやれよ。》



たった一言。

それだけ言って、彼の意思は離れた。