守ってくれますか?

「私がヒカリに嫌がらせをしたのは・・・ただの、私のプライドのためだったのよ。」


アンリ様が、私を見た。

正面から、真っ直ぐに視線が突き刺さる。


けれどその視線は“憎悪”を含んではいなかった。

その視線が含んでいたのは“真剣さ”だけだった。




アンリ様が、顔を苦しそうに歪めた。




「私は・・・・・・ナオ様が好きだったんじゃない。」






ナオサマガスキダッタンジャナイ。





「私は“美しい王子様”が好きだったのよ。
ナオ様を“美しい王子様”としか見てなかった。
ナオ様の性格なんか、気持ちなんか、気にしてなかった。」





“ウツクシイオウジサマ”ガスキダッタノヨ。

“ウツクシイオウジサマ”トシカミテナカッタ。

セイカクナンカ、キモチナンカ、キニシテナカッタ。






意味がつかめない。


ありえない言葉達が、アンリ様の紅い唇から飛び出す。


理解、できない・・・・・・。