守ってくれますか?

「私っ・・・どうしましょうっ・・・・・」

途方にくれたように呟くアンリ様。


いや、だから何がだよ。

こっちが途方にくれたいよ。



「私、分からない・・・・・」

つと俯くアンリ様。

その横顔は暗いけれど、やっぱり綺麗だった。



「私、どうすればいいのか分からないの・・・。私・・・ナオ様を本当に好きじゃないのかもしれないから・・・・・」


「・・・・・・・・え・・・・」




どういう、こと?


アンリ様はナオ様が好きなんでしょ?

私みたいな奴に嫉妬するほど、好きなんでしょう?





「私、あなたの双子の兄・・・ヒカルに昨日、きつく言われたでしょ?」

「はい・・・」

「その時にね、思ったの。
私はこの人にこんなに迫られるぐらいの事を平気でした。でも、それは本当にナオ様の事が好きでやったことなのか・・・って。」



アンリ様が顔を上げ、自嘲気な笑みを浮かべた。




アンリ様は、私に何を言おうとしているの?


夢のような気がした。

静かに話すアンリ様を、夢のように感じた。


こんな光景、想像したことなんて無かったから――