そう。

俺の苛立ちはすでにピークに達していたんだ。


それなのに――




「来たぞ!ヒカリ、俺と結婚しろ。」



なんで窓からレインが侵入してくんだよ!?

しかもいきなり結婚とは・・・・・・



「ちょぉー!?レイン何やってんの!?不法侵入だからっ!」

ヒカリが叫ぶ。


「なんでだ?そこにいるのは王子だろう?ちゃんと見ているのだから、問題ない。」


「問題あるからっ!!!すみません、ナオ様!とりあえずは、その・・・いいですか?」


「・・・・・・・・・・しょうがない。」

俺はしぶしぶ頷いた。


レインは【魔の国】を統べる者。
強力な魔法の使い手。

俺が逆らえるわけない。




「問題は解決したな?ヒカリ、俺と結婚しろ。」

「まだ言うか!っつーかはじめにソレかよっ!!!」

「駄目なのか?」

「駄目です!昨日や今日だけじゃ駄目です。」

「そうか。では、行くぞ。」

「待った!なんでそこで『では』なの!?どこでどう繋がったの!?」

「細かい事はどうでもいい。ほら、行くぞ。」

「えぇ・・・・・って、飛ばすなぁーーーーー!!!!!」



―――ヒカリは、レインの魔法によってどこかへ飛ばされた。