今、俺とこいつ、ヒカリは俺の部屋に2人きり。
ヒカリは、今そのことに気づいたらしく、部屋をキョロキョロ見回している。

「じ、じいやさん?シュウ様?」
不安そうに見回している。

そして・・・
俺に目を向けた。

「王子様、じいやさんとシュウ様は・・・」
「出て行った。ここは俺の部屋だしな。」

俺が普通に答えると、ヒカリはショックをうけたらしく、体をふるわせた。

「・・・・や、やばい・・・。私みたいな奴が、王子様と2人っきりとかやばすぎる・・・・・・」
なんだかブツブツ呟いている。

・・・確かに、俺、大丈夫か?
いきなり2人っきりって・・・・・・

「・・・・あ!そっか!!私、警護しなきゃだったもんね!!」

ヒカリはそう言うと、自分の言葉にうんうん頷いている。

・・・・こいつ、俺のこと、全く意識してねえな。
俺は思わずため息をつく。

するとヒカリがバッとこちらを向き、いきなり俺に向かって土下座してきた。

・・・なに考えてんだ?

「すみません!王子様!!本当は私と同じ部屋にいるのが嫌なのでしょう?
嫌なら嫌と、ばんばん言ってくださっていいので!
ためこまないでください!!!」

「・・・・は?」
何がどうなって、そんな発想にたどりついたんだ?

「・・・え?ため息、私が嫌だったからしたんじゃないんですか?」

「ため息、聞こえていたのか。」

驚いた。小さなため息だったから。

「はい。私、聴力・視力、共に良いので。」

ヒカリが微笑んだ。


ドキッ!

心臓が、大きな音をたてた。