―――逝ってしまった―――


ロゼは、この世にいるべき人では無かった。

逝くのは当然だった。




でも―――――






「・・・・ッ・・・・・」

その、小さい、声にならない声を感じ、隣に立っているレインを見る。


静かに、涙を流すレイン。

綺麗な、純粋な雫。




甘っちょろいかな・・・・


私は正面に向き直る。


私が『でも―――――』なんて思うのは、甘っちょろいかな。







ロゼ―――


夕焼けが美しい空。

その空を映し、茜色に染まる海。


どちらも見ながら、そっと呼びかけた。



あんたは、もの凄く優しくて明るい、いい子だったよ。

あんたがいないのは、寂しいよ。


あんたのお兄ちゃんは―――



あんたが、やっぱり大好きみたいだよ。