「今はもう、憎くないからな・・・・・・本当に、悪かった。」


レインが深く頭を下げる。


「こっちに、引き止めて。勝手に憎んで。残酷な事をさせて。挙句、殺そうとまでして・・・。すまなかった。」


ロゼが苦笑いした。


「いや、もういいって。レインお兄ちゃん。それに、残酷な事はさ、私じゃなくてロゼがやったんだし・・・・・・・あ!」

ロゼはハッと瞳を見開いた。


「レインお兄ちゃんの感情・・・まだこの体にあるの!?」



・・・・・・・・・・・・ああ!!!!!


そーだよ!そういや、私達、レインに希望を与えなきゃ・・・って、もう、充分かな?

でも、心の蓋は・・・こじ開けてないよね?
レイン、笑ってないし。『笑わせてくれるか?』とは聞かれたけど・・・



「俺の感情?・・・そういえば、移した奴に感情が表れたら、どうなんだろう?」


え・・・もしかして・・・・・・・


「知らないの?」

「あぁ。まさか。ロゼになるだなんて思わなかったしな・・・」


まぁ、そりゃそうか。


「でも、実際のところ、どうなってるんだろう?」

私は首を傾げた。


「ロゼ、なんか変な感じとかないか?」

ヒカルが聞く。


ロゼはじぃ~っと自分の手を見つめながら、首を振った。


「分かんない。今日はこの世から去ろうと思ってるし・・・」


そっかぁ~・・・。今日は色々と特別だもんなぁ・・・・・