私はヒカルと顔を見合わせる。


ロゼは、レインは、どうすつもりなの?




「・・・でも、えっと、10時間ぐらい大丈夫だって・・・来る前に・・・・・」


なんとか私は言う。


タイムリミットまで、まだ充分あるんだよ?



ロゼは、静かに首を振った。


「そうだとしても、私はあと数十分で、この世を去ります。」


「なん「わかったよ。」


私の『なんで?』という問いを、ヒカルの穏やかな声が遮った。



「けじめ・・・だよな?」

「はい。これ以上いたら・・・逝けなくなっちゃいます。」


ロゼは、切なそうに笑って言った。


「楽しすぎて、幸せすぎて。」



――けじめ――


そっか。そっかぁ・・・・・。



「楽しすぎて、幸せすぎて・・・か。良かったね。ロゼ。」

私は微笑んだ。
悲しさをこらえて。



「・・・・・・・・・・ロゼ。」


レインが囁いた。その声は、少し、かすれていた。

けれど、瞳は真っ直ぐロゼを見据えている。