「憎いって・・・うぅっ・・・思っちゃうの・・・・・」

「うん。」


俺は静かにあいづちを打った。



「死んじゃえばいいのにって、思うの・・・・ひっく・・・」

「うん。」


「でも・・・それをどこかで怖がってる・・・・・」

「うん。」


「だって・・・・・レイン様の悲しむ顔は見たくないもの・・・・・」

「うん。」


「・・・・・好きなのをやめられたらいいのにって、思う。」

「うん。」


ヨナは、段々と落ち着いてきたようだ。

嗚咽も止まった。

けれど、涙は止まらず、零れ続けている。



「でも、やめられないんだよね・・・・・。どうしても。」

「うん。」


「ねぇ・・・・・ナオ。」

「うん?」


「どうして、聞いてくれたの?」


ヨナは我に返ったようだ。

漆黒の瞳は、まぎれもなく、俺を見据えていた。


俺の、深い緑色の瞳を、真っ直ぐに見つめていたんだ。




俺は思わず、微笑んだ。