守ってくれますか?

―シオンside―




「・・・・・にしたって、ナオ不憫だよなぁ~」

ヒカルがしみじみ言った。


ここは談話室らしいけど、今は人が居ない。

ヒカルと明日のことについて話そうと、ここで待ち合わせをしていた。


だけど、随分前に明日についての話は終わってしまった。

まぁ、計画がおおざっぱだしね。


で、今は他愛無いおしゃべり中なのだ。




「うん。ホントそうだよねぇ~。でも、ソレはアンタもだろ?」


「何が?俺、確かに彼女いたことないけど・・・ソレは色々調査してたからで、不憫なんかじゃないぞ!これから作るんだからな!!」

ヒカルは意気込んでいる。



あたしは心の中でため息をつく。


こいつほど・・・

本心を隠すのが上手い奴はいない。


あたしが言ったのは“ヒカリとのこと”であり、それはわかってるはずなのに。


とことん、しらばっくれるか。


それとも・・・・・


己の中で、“消滅”させたのか?

その想いを?


いや、できぬだろうに・・・・・。



「はぁ~・・・・・」


思わず、ため息をついてしまった。