「なぜか?簡単じゃ。
レインに感情をまた与えることのできる子が現れたというのに、その子の心を滅茶苦茶にしようとしているからじゃよ。」


「・・・・・ヒカリのことですね。レイン様も、薄々ですが、感づいておられるようです。」



え。

私!?



「ではなぜじゃ?なぜ、そこまでして“政策”にこだわる?」

「リヨン、そもそもが違います。」

「そもそも?」

「はい。レイン様は感情など“欲していない”のでございます。」

「ほぉ・・・なぜ?」

「“不要なモノ”だからです。」


リヨンが、つと、視線を下の海に向けた。


「“不要なモノ”・・・か。
それはまた・・・・・哀しいことを言うのぅ。」


声に含まれているのは“哀れみ”。




そして、リヨンはゆっくりと視線を上に上げると、幼い私達を見て、優しく微笑んだ。






「さて、では、送るかの。フローレ大国に。」







すると幼い私とヒカルの足元に・・・・・


奇妙な、丸い穴ができた。

穴の中は、漆黒の闇。




これって・・・・・