守ってくれますか?

「やはりですか。」

事務的な声が響いた。





「ゼロ・・・・・・」

幼い私が呟いた。


黒い海の上に、ゼロが浮いていた。無表情で。




「クウ、フウ、あなた達の気持ちは解ります。しかし・・・その行動は、愚かです。」

変わらない口調。
漆黒の瞳には・・・何の感情もこめられていない。



「ゼロさん、あなたは、私がお相手しましょう。」

ママがすっと立ち上がる。


「「ママッ!?」」

幼い私とヒカルが同時に叫ぶ。


パパは、苦しげに俯いた。

「頼む。時間を・・・かせいでくれ。」


低い声。




「わかったわ。任せてちょうだい!」

ママは、にっこりと微笑んだ。





「無駄です。」


ゼロが冷たく言い放った。

何の感情もこもらない声は・・・私には冷酷に聞こえた。