守ってくれますか?

「ヒカルッ!待ってよぉ~」


速いってば!

ってか、どこに向かってるの?


あたしは、ヒカルが向かっている先を見た。



ヒカルは、ハゲが目立つ40才ぐらいのオジサンを追っていた。

オジサンは、公園を出ようとしていた。



そこに、ヒカルが間髪入れずに突っ込んでいく。


ヒカルの頭がオジサンの腰・・・というより、巨大なお腹にぶつかった。




「ぐぇっ!!・・・な、なんだお前!!!」


オジサンが乱暴にヒカルを自分から離す。

ヒカルがズサッと地面に転がる。






「ヒカルッ!?」


近くまできていたあたしは、ヒカルの元へ駆け寄った。




「大丈夫?」

地面に座るヒカルに聞く。



「こんくらい平気。・・・それより、待てよオジサン。」


ヒカルはさっさと去ろうとしていたオジサンに声を掛けた。


オジサンが振り返り、ヒカルを睨む。

「なんだよ?」